税務書類の押印義務の見直し(令和3年度税制改正)

原則廃止へ

電子申告はそもそも押印不要のため、紙べースで税務書類を提出する際のお話になりますが、年金手続きに遅れること3か月、コロナ禍の脱ハンコ文化の後押しにより、税務申告書類も令和3年4月1日以降提出分から押印を要しないこととなりました。

【国税庁】税務署窓口における押印の取扱いについて

国税庁ホームページで公表されている申告書等の様式も順次押印欄のないものに更新されています。

たとえ認印での押印とはいえ、相続税申告では、申告の意思表示として利用されている面もありました。一般的に相続税申告は全ての相続人が連名でひとつの申告書を被相続人の最後の住所地の所轄税務署に共同で提出しますが、相続人各自で申告を行うことも可能です。

複数の相続人が別個に押印をせずに相続税申告書を提出する場合の申告書の記載方法について国税庁より案内が出ています。

複数の相続人等がいる場合の申告書の作成方法(押印をせずに相続税の申告書を提出する場合)

例外

以下の書類については引き続き押印が必要です。

  • 担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類
  • 相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類遺産分割協議書
  • 実印の押印及び印鑑登録証明書等の添付などにより委任の事実を確認している特定個人情報の開示請求や閲覧申請手続における委任状
  • 金融機関の届出印が必要である振替依頼書ダイレクト納付利用届出書

この記事を書いた人

押渡部 優子